2014年10月15日
おしらせ
作物栽培をサポートする新農業資材「低分子量キチン」を開発
作物栽培をサポートする新農業資材「低分子量キチン」を開発
当社はこのほど、作物栽培をサポートする新農業資材「低分子量キチン」を開発しました。低分子量キチンは、メーカー向けバルク品「LMC60」と、農業生産者向け配合液肥「きちんとみの~る」があり、10月15日(水)~17日(金)に幕張メッセで開催される「国際農業資材EXPO(AGRITEC)」で披露します。
▲LMC60 | ▲きちんとみの~る |
当社は、新事業領域の開拓の一環として、農業分野への進出に挑戦します。これまで、カニ殻・エビ殻から得られるキチンを原料にN-アセチルグルコサミンを開発し、機能性食品素材として国内外に展開をしておりますが、その開発過程で得られた技術や知見を基に、当社独自の素材“低分子量キチン”を開発しました。
低分子量キチンの開発は、農業分野で土壌改良的に使用されているカニ殻を、もっと効果的で使用しやすい形にできないかという発想から研究がはじまりました。そして、カニ殻中の有効成分であるキチンの構造を維持したまま、平均分子量約3,000という最適なサイズに低分子化したものに効果を見出し、本資材の開発に至りました。
実験では、トマトの養液栽培圃場で、様々な濃度(4,000~40,000倍)の低分子量キチンの水希釈液を、週に一回、トマト株元へ施用し、生育、果実、根等への影響を調査しました。その結果、低分子量キチン処理区において、トマト果実一果あたりの重量と収穫量が増加し、4,000倍(250mg/L)施用区では無処理区に比べて1.2倍の増加となりました。無処理区では後段ほど果実重量が小さくなりましたが、低分子量キチン処理区は後段になるに従い果実重量の増加が見られ、成り疲れの防止効果を確認しました。さらに、果実が大きくなったにもかかわらず品質(糖度)についてはやや向上が見られました。また土壌や根の様子を調査したところ、放線菌数および根量の増加が見られたことから、低分子量キチンが植物の生育環境をよくしている可能性が示唆されました。
低分子量キチンは、通常のキチンよりも予め小さなサイズに分解されているため、分解性がよく即効的に作用します。この低分子量キチンを作物栽培にお使いいただくことは、植物体の健全化を導き、また土壌環境の改善を促します。すぐにでも手軽にお使いいただけるよう、低分子量キチンにチッ素、リン酸、カリウム成分を配合した液肥を開発しました。このような資材はこれまでになく、新しい需要と価値を提供します。
●トマトの栽培における低分子キチンの効果確認結果
●商品特長
商品名 | 商品特長 |
LMC60 |
・キチン構造を維持したまま平均分子量約3,000に低分子化されたキチン。 ・キチン含量60%以上。 ・培土や資材等に混合しやすい、細かい粉末状。 ・食品会社が食品レベルで製造。 |
きちんとみの~る |
・作物の健全な生育をサポートする低分子量キチンを3%配合。 ・粗砕物であるカニ殻や、粘稠性のキトサンと比べて希釈・散布が容易。 ・成長に必要なチッ素・リン酸・カリウムを2・5・8とバランスよく配合した 普通肥料登録の液体肥料 ・海藻エキス由来ミネラル・微量要素含有 |
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