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2011年08月29日 N-アセチルグルコサミンはグルコサミン塩酸塩に比べ、肌水分量低下の抑制効果が高いことを確認

N-アセチルグルコサミンはグルコサミン塩酸塩に比べ、肌水分量低下の抑制効果が高いことを確認


カニやエビの殻などを原料とするグルコサミン類のうち、N-アセチルグルコサミンはグルコサミン塩酸塩に比べ、乾燥に伴う肌水分量の低下を抑制する働きが強いことが、城西大学の和田政裕教授と焼津水産化学工業との共同研究※1で明らかになりました。この研究成果は、8月30日から31日まで奈良県で開催される第25回キチン・キトサンシンポジウムで発表されます。

N-アセチルグルコサミンとグルコサミン塩酸塩は、サプリメントの素材として日本で年間約1,000t販売されていると考えられています※2。N-アセチルグルコサミンは肌や関節にあるヒアルロン酸を構成する物質で、グルコサミン塩酸塩はN-アセチルグルコサミンが一部分解したものです。この2つの物質はそれぞれ有用性試験が実施されていますが、これまで同時に臨床試験により比較されたことはありませんでした。

そこで城西大学と焼津水産化学工業は共同で、この2つの物質の効果の違いを調べるため、乾燥による肌の水分量低下を抑制する作用について、臨床試験を実施しました。

臨床試験は平均年齢45.5歳の女性63人を3つのグループに分け、それぞれ①N-アセチルグルコサミン1.5gを含むカプセル②グルコサミン塩酸塩1.5gを含むカプセル③いずれも含まないカプセル(プラセボ)――を1日1回、8週間服用してもらい、その効果を調べました。効果の判定は、肌の水分量の指標として表皮の電気容量※3を測定し、服用前と比較しました。

その結果、秋から冬にかけての外気温および湿度の低下に伴い、肌水分量を示す電気容量は、プラセボが14ポイント低下したのに対し、グルコサミン塩酸塩が 13ポイント、N-アセチルグルコサミンは6.3ポイント低下となったことから、プラセボの肌水分量低下に対する抑制量はグルコサミン塩酸塩が1ポイント、N-アセチルグルコサミンは7.7ポイントとなりました。したがって、N-アセチルグルコサミンはグルコサミン塩酸塩に比べ、肌の水分量に対する改善効果が高いことがわかりました。




焼津水産化学工業は、N-アセチルグルコサミンをサプリメントの素材として食品メーカーなどに販売していますが、今回の研究成果により、グルコサミン塩酸塩との効果の差が明確になり、美容分野でこの素材の活用がさらに広がるものと期待しています。




※1 この研究は生研センター・イノベーション創出基礎的研究推進事業の一環として行いました。
※2 健康産業新聞 第1384号(2011年4月13日発行)
※3 電気容量:間接的に肌の水分量を示す指標。数値が高いほど皮膚表面の水分量が高いことを示す。

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