2010年09月02日
「鰹だし」が生体内で生成する活性酸素の働きを抑制
「鰹だし」が生体内で生成する活性酸素の働きを抑制
当社は、「鰹だし」が生体内で生成する活性酸素の働きを抑制する効果があることを確認しました。「鰹だし」に、このような効果があることが分かったのは初めてで、当社はこの研究成果を9月1日から3日まで東京都内で開催される第57回日本食品科学工学会で発表します。
活性酸素は酸素分子が活性化した状態の物質で、生体内でも呼吸やエネルギー代謝の過程で多くの種類の活性酸素が発生しています。この活性酸素は反応性が高いために、ガンや心臓疾患などさまざまな病気の原因になるとされています。当社はこれまで、「鰹だし」が代表的な4種類の活性酸素※を消去する働きがあることを確認しています。今回は、生体内で生成される活性酸素である「過酸化亜硝酸イオン」と「次亜塩素酸イオン」に対する「鰹だし」の効果を調べました。これらの活性酸素は、酵素や細胞などのタンパク質を酸化して生体に悪影響を及ぼすため、注目されています。
実験は、焼津産の荒節からとった「鰹だし」が、これらの活性酸素による蛋白質の酸化分解を抑制するかどうかを評価しました。その結果、「鰹だし」は次亜塩素酸イオンによる蛋白質の酸化分解を48.3%、過酸化亜硝酸イオンによる酸化分解を68.6%抑制したことを確認しました。さらに、「鰹だし」に多く含まれている成分であるアンセリン、ヒスチジンが、この抑制作用に関わっていることを突き止めました。 | 鰹だし」による蛋白質の酸化抑制率 |