2009年11月20日
N-アセチルグルコサミンが血液透析患者のかゆみ抑制に著しい効果
N-アセチルグルコサミンが血液透析患者のかゆみ抑制に著しい効果
カニやエビなどの殻を原料とするN-アセチルグルコサミンに、血液透析患者のかゆみを改善する働きのあることが焼津市立総合病院(太田信隆病院長)と焼津水産化学工業(坂井和男社長)との共同研究で明らかになりました。この研究成果は、11月21日から23日まで和歌山県・高野山大学で開催される第12回日本補完代替医療学会で発表されます。
血液透析患者には、皮膚のかゆみを訴えるケースが多く見られます。しかし、さまざまな薬剤を投与してもかゆみを止めることができないことがあり、決定的な治療方法がまだ見つかっていません。
焼津市立総合病院は、乾燥肌などの改善作用などで最近注目されている機能性食品素材のN-アセチルグルコサミンに着目し、この物質が患者のかゆみに効果があるかどうかの臨床試験をこのほど行いました。
テストは、かゆみを訴えるものの薬剤投与効果のない患者15人に、N-アセチルグルコサミンを1g含む錠剤を1日1回、4週間服用してもらい、その効果を調べました。効果の判定は、患者のかゆみの自覚症状を数値化し、錠剤服用後の変化のレベルを調べました。
その結果、かゆみが顕著に軽減されていることが分かりました。その状況は、「著しく効果があった」が40%、「有効だった」27%、「無効だった」33%で、有効率は67%と高い数値を示しました。 焼津市立総合病院の太田信隆病院長は「薬品でなく食品素材の中にこのような有効物質があったことに驚いている」と話しています。 焼津水産化学工業は、N-アセチルグルコサミンを乾燥肌や関節痛改善効果のある機能性食品素材として食品メーカーなどに販売していますが、今回の研究成果により、この素材の活用がさらに広がるものと期待しています。 | N-アセチルグルコサミン摂取によるかゆみ抑制のグラフ |