2009年06月09日
アンセリンの尿酸値降下作用をヒト試験で確認
アンセリンの尿酸値降下作用をヒト試験で確認
焼津水産化学工業株式会社は、機能性食品素材「アンセリン」の機能を調べるヒト試験をこのほど実施し、アンセリンの摂取が尿酸値を降下させることを確認しました。
アンセリンはマグロやカツオなどの筋肉中に含まれるアミノ酸の仲間の物質(2種類のアミノ酸が結合したペプチド)で、抗疲労効果や抗酸化作用などの機能があることが知られています。尿酸値降下作用についても、動物実験で明らかになっていますが、今回、ヒト試験で初めてこれを確認しました。
ヒト試験は、尿酸値が高め(6.5~8.0mg/dl)の成人男性31人を2つのグループに分け、1つのグループにはアンセリン入りカプセル(アンセリンを1日50mg含有)、別のグループには偽薬(プラセボ)を、それぞれ4週間摂取してもらって調査しました。 その結果、アンセリンを摂取したグループは右の図のように日を追って尿酸値が下がる傾向が認められ、アンセリン摂取前の尿酸値の平均値が7.19mg/dlだったものが、2週間後には6.97mg/dl、4週間後には6.84mg/dlにまで降下しました。さらに、摂取終了から2週間後にも、降下が続いている傾向が見られました。 | ※※p<0.05, ※p<0.1(いずれも摂取前との比較) |
アンセリン摂取による尿酸値降下の理由は、尿酸ができるのを抑制するHPRT(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ)と尿酸の排せつに関わりのある乳酸脱水素酵素(LDH)の2つの酵素の発現量が増すことによるものであることが、ラット試験により確認されています。アンセリン摂取終了後も尿酸値が降下し続けたのは、摂取を止めても、これらの酵素の発現量が増えた状態が持続していたためであると推測されます。
血液中の尿酸値が高くなると、痛風を引き起こすリスクが高まります。国内の痛風患者はおよそ90万人にのぼります。“痛風予備軍”でもある高尿酸血症者(血清尿酸値7.0mg/dl以上)は成人男性の4人に1人といわれ、1000万人以上にのぼると推定されています。さらに近年、以前は50歳代であった痛風の発症年齢のピークが低年齢化し、30代に移りつつあります。
焼津水産化学工業株式会社は、マグロ、カツオからアンセリンを高純度で工業的に製造する技術を確立、食品企業向けに機能食品素材として供給しています。また、国内大手メーカー数社がアンセリンを配合した新製品の発売を、この秋に予定しています。
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