2005年03月10日
医療向け高純度キトサンを日本油脂と共同開発
医療向け高純度キトサンを日本油脂と共同開発
新たなDDS(薬物送達システム)素材として注目
当社は日本油脂(株)と共同で、カニ殻などからとれる機能性素材のキトサンを95%以上の純度に精製した「医療用高純度キトサン」を開発しました。
キトサンはカニやエビなどの甲殻類に含まれる物質で、コレステロール低下作用や切り傷治療促進作用などの生理機能が認められています。しかしキトサンには、発熱などを引き起こす細菌性の毒素である「エンドトキシン」を吸着しやすい性質があるため、注射剤などの医療用途への応用に支障がありました。
そこで両社は、それぞれが得意とする毒素分離・精製技術で協力しました。焼津水産化学工業は鮮度の良い甲殻類からキトサンを分離精製、エンドトキシンを大幅に減らして日本油脂に供給、また日本油脂はこれを医療用素材として国際基準並みの品質に高め、最終製品にまで仕上げました。
開発された高純度キトサンは、エンドトキシンを市販の食品用キトサンに比べ20分の1下にまで低減してあるため、注射剤向けなど薬物送達システム(DDS)用素材としての活用が期待されています。また、創傷被覆材、遺伝子導入促進材などの分野での応用も考えられています。